1/20リリース、フリュー Trio-Try-iTシリーズ、リゼロ レム ブライズメイドver.をレビューします。
以前タイトーのCorefulシリーズでウェディング衣装のフィギュアがありましたが、こちらは花嫁そのものではなく、花嫁に似た衣装を着る役割のブライズメイドという形になっていますね。
リゼロのIFシナリオでレムとスバルが結ばれる話があるそうですが、あくまでメインシナリオから外れたルートとしてそういう姿を描いているとすれば、この二人がメインの方で繋がることはないはずなので、こちらフィギュアの方がより作品の主軸に沿っていると言えるかもしれません。
ただおそらくはこのブライズメイドだけがフィギュア化されて、メインの花嫁の方はフィギュア化されない可能性が高いのは若干ちぐはぐな感じもしますが…
【全体】
・大きさ・存在感: 4/5
・カラーリング: 4.5/5
・再現度: -/5
・バランス: 4.5/5
頭に花冠を付けた白と薄い水色のドレス姿で、手にブーケを持った姿です。
高さは23.5cmで、プライズフィギュアとしては十分大きい方のサイズ感です。
【顔・髪】
・アイプリントの品質: 4.5/5
・顔の造形: 4.5/5
・顔の塗装・質感: 4/5
・髪の造形: 4.5/5
・髪の塗装・質感: 4.5/5
・ビルドクオリティ: 4/5
・見所・魅力: 4.5/5
アイプリントはドットを用いてグラデーションを表現する部分と塗り分けがはっきりしている部分が混在しており、メリハリのあるアイプリントになっています。
顔の表情は穏やかなのですが、微笑んでいるわけでもなく悲しんでいるわけでもないけれども、花嫁では無いことへの複雑な胸中を表現したかのような表情です。
深めの角度から見るとやや鼻から顎にかけてのラインが強めに出るような造形になっていますが、正面から見た時の表情の表現が完璧すぎて、これはもう致し方なしと言ったところでしょう。
前髪は先端がクリアになるタイプのもので、左目の上の髪の分け目から右耳方向にかけての斜め方向に自然に透けるような作りになっています。
髪の造形も良いのですが、特筆すべきは頭につけている花冠です。
大小様々な大きさの花が編み込まれた形状がしっかりと作り込まれているほか、しっかりと塗装も仕上げられており、華やかさの感じられる作りになっています。
【身体】
・素肌の造形: 4.5/5
・素肌の塗装・質感: 4.5/5
・衣装の造形: 4.5/5
・衣装の塗装・質感: 4.5/5
・ビルドクオリティ: 4.5/5
・見所・魅力: 4.5/5
衣装も全体的に手のかかった作りになっており、おそらくほぼ全ての箇所に塗装が施されているように見えます。
ドレスの腰より上の部分は白色で塗装されており、さらに胸の部分には花柄の模様がプリントで入れられており、シンプルながらも緻密さもある印象に仕上がっています。
花冠と同様、手に持っているブーケの表現もよく、様々な種類の花が使われたカラフルなブーケとして仕上げられています。
恐らく手に持っているブーケと頭につけている花冠、そして衣装に描かれている薔薇の色が違うのには、レムの感情と繋がりがあるのでは…と考察してみましたが、ここに書くと長くなりすぎるので止めておきます。
ブーケから伸びるリボンと、首の後ろで結わえているリボンが風に流されるような表現もよく、人間を動かすのではなく、空気を動かす表現の仕方が見事です。
腰の部分の白い十字を繋いだような部分はパール塗装のような仕上げとなっており、質感のメリハリの付け方もうまいです。
肌の質感は完璧とまでは言えませんが、普通に鑑賞する分にはほぼ気になることはないとは言えるレベルです。
スカートもリボンと同様風に流されるような表現となっており、大きく風になびくような形状が影に強弱をもたらしています。
スカートは裾の部分がクリアになるような表現となっており、それ以外の部分は全体的に塗装されているため、質感においても申し分ありません。
脚はほどよく膝周りにディティール感のある造形で、腿も柔らかな形状で表現されています。
肌の質感は、一部有機溶剤が飛んだような跡が見られたのが惜しまれますが、それ以外の箇所はほぼ問題なしでした。
スカートの内側は下着の上の腰部分も表現されています。
この辺りは個体差もあるかもしれませんが、私の入手した個体は比較的後ろ側が透けやすく、スカートの裾から肌が透けて見えるのも魅力的です。
【台座・付属品】
・台座の品質: 4/5
・付属品の品質: -/5
白い円盤に水色のプリントです。
【総評】
・総合評価: 5/5
魅力的な造形と細やかで質感のよい塗装、ほぼ欠点のない作りと工業的に優れているのもそうですが、何よりレムの複雑な感情を表現した顔の表情とその心中を表したかのような花の色合いといった、判を押して作ったような作品も珍しくないプライズフィギュアでは考えられない作りのフィギュアだと感じました。
…これはもう満点以外に無いと思うので、2024年リリースフィギュア初の満点としようと思います。
非常に出来の良いフィギュアなので、しばらくレムのフィギュアを入手していない方も是非直接手にとってみていただければと思います。
